西洋と東洋の区分けが適切かはわかりませんが、
神を呪う魔女の呪いを「呪詛」といいます。
「呪詛」と「呪咀」は別ものですので、ご注意ください。
ところが、もし、その「呪い」という意味に、ヨーロッパ的な教養の匂いを漂わせたとすれば、それは明らかな誤りとなります。
神を冒瀆し、社会に害毒を流す、魔女的なヨーロッパ流の呪いは、漢字では「呪詛」と書きます。
「呪」に問題はないのですが、「咀」と「詛」の違いに留意してください。
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「詛」が陰翳に包まれた暗い呪いであるのに対して、「咀」とは、要するに是非曲直、状不条理を吟味し、弁別することに他なりません。
字は似ていても義には、それこそ雲泥の差があります。
これで、呪咀と呪詛の違いは明らかになりました。呪咀が究極的には、やはり呪いであっても、それは本来、対象を選び、根拠を吟味します。
神義子 『逆転の哲学 呪咀』 序章 壱 より
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