「徳」とは、一般に考えられているように、偉い人たちの徳操や徳目のことではない。
「徳」とは、人々が「道」に反応し「理」を会得する精神的な能力のことである。
神義子 『逆転の哲学 呪咀』 本章 拾壱 より
学校教育の道徳の授業は忘れてください。
偉人達の話は忘れてください。二宮金次郎も忘れてください。
本当の「徳」の話をします。
儒教で別ものにされてしまった徳。孔子の頭のなかにある徳。
世間一般のいいか悪いかの判断基準。そんな道徳を離れましょう。
Contents
「徳」とはなにか
「徳」とは『精神的な能力』のことである。
「徳」はどんな特徴を持つか
「徳」高めることにより、『「道」に反応し』『「理」を会得する』。
具体的には・・・
不正確になるかもしれませんが、あえて一つの具体例を出します。
「徳と道と理」の一つの例です。
例にしかすぎないので、「徳と道と理」のすべてが入ってるわけではないことをご注意ください。
最終的には「徳と道と理」そのものとして、わかってもらいたいと思ってます。
今回は恋愛に例えます。
徳 ≒ あなたの恋心です
道 ≒ 二人の関係性が作り出す世界です。一つの小さな世界です。
理 ≒ 二人の間にあるルールです。ルールといってもきっちり言語化された決まり事でありません。お互いがツーカーで共有している空気みたいなものです。
恋心で、人々が好きな相手との恋愛関係を感じて、二人の間の好き合う空気を共有する。
【恋心(徳)】が生まれると、相手への興味が出てきます。相手のことを知りたいという欲求が生まれます。
【恋心(徳)】が、【相手や二人の関係性(道)】を感じて、近づこうとします。あいさつから始まり、デートにさそい、おつきあいへと発展していきます。
その過程で、二人の間には【言葉にならないルール(理)】が生まれます。最初のうちは丁寧に話すでしょうが、距離が縮まれば感情も出していきます。お互い相手の長所短所を理解して、自然と守るべきルールのようなものができます。一つの空気ができます。
「徳と道と理」の活動は誰でも日常的にやってる
いかがでしょうか。
この例えは少々無理してます。
ただ、恋愛の例えを読んで理解してもらいたいことがあります。
それは、『「徳と道と理」の活動は誰でも日常的にやってることだよ。』ということです。
日常のすべてに「徳と道と理」が関わっている。
人間の活動すべてが「徳と道と理」である。
老子に言わせるなら、人間の活動だけでなく、世界のあらゆるものは「徳と道と理」の活動であるというでしょう。
まー、そこまではいかなくても、心が動くようなケースは、「徳と道と理」の働きがあるみたいだな・・・
そんな風に感じていただければ、幸いです。
儒教の「いい悪い」から離れて、心の中にある本当の「徳」の力に気づいていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
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